【就活の新たなバイブル!】朝井リョウさんの何者に心を見透かされている気がしてならない
同じ大学の先輩ということで、デビュー作からハマった朝井リョウさんの本はすべて読んでいます。知らない人はいないとは思いますが、まだ読んだことのない人にある作品をおすすめします。
こちらの作品。
直木賞受賞作で、結構メディアにも取り上げられていたのでご存知の方も多いのではないでしょうか?この作品がとにかくいいんです。ボキャ貧で月並みな感想しか言えないぼくの口からおすすめしたいと思います。
本の紹介文を紹介。
就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。 引用:読書メーター
主人公の拓人を中心に、登場人物が『SNSと就職活動』をキーワードに感情や関係の変化を描きます。現代の若者(SNS世代)が匠に描かれています。
読んでいて、わかる!!!と思うところが多いんです。こんなやついるわーとか、うわ、これ昔の自分じゃんと思うことも。
例えば印象深いのがこんなシーン。
光太郎のいいところは、想像力があるところだ。きっとサークルの打ち上げは最高に楽しかっただろうし、この寄せ書きもめちゃくちゃうれしかっただろう。青春時代のすべてを凝縮したような写真だってたくさん撮っただろう。だけどそれを、むやみやたらと発信したりしない。するとしても、その感情に共鳴できる人たちに向けてのみ発信する。光太郎は、その事柄に全く関係のない人が「最高の仲間!」とか「みんな大好きありがとう!」とかそういう文面を見たとき、瞬く間に心が冷えていくことをきちんと想像できる側の人間だ。 文庫版 P37
バンドマンの光太郎について、拓人が分析しているシーンです。『何者』のテーマは『想像力』なのかなと。
このシーン今の大学生世代にはまじわかる!!!!って共感しまくりだと思うんです。イベントが終わったあと、サークルを引退したとき、TwitterやInstagramに、
#最高の仲間
#すべてに感謝みんな大好き!
みたいなハッシュタグが乱立します。最初はよくても何度もこういったツイートをみたらまたか!って思うことあるんです。こういったシーンをさらっと描く朝井リョウさんの表現や目のつけどころや観察眼には敬服します。
そして就活中の身としては刺さるシーンが多すぎて、、、
https://twitter.com/moihej/status/681480818678628352
最近?文庫になった朝井リョウの『何者』なんかは就職のコーナーにPOPつきで置いたら絶対に売れると思う。これから就職活動をする人が読むと、就職活動に対する心構えができていいと思う。
— diesuk (@diesuk) 2015年12月18日
ベンチャー、大手、オワハラ、リク面、グルディス、お祈り、内々定、、、
今の就活性のリアルが感じられます。
他にも紹介したいところが山ほどなんですが、やりすぎたら読んだとき面白くないのでこの辺で。
大学生には全員読んでほしい小説。特に就活生。わりとリアルな就活事情を知れるはず。ブラックなシーンは思わず共感してしまうかも。
そして、就職活動なんてしてないや、とうの昔やなんて人でも、今の若者のリアルに本当に近いところを描いているので、食わず嫌いせず読んでみては。